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       できる購買部長のかしこい購買戦略       第0033号

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  ◆今日のテーマは、「人材育成と教育(その23:個人の購買能力20)」
社内VAへの提案力について概説します。通常の発想(「決められた原料を買う」)とは異なり、「何故その原料が必要なのか?」に焦点を当てる深い能力が購買にも求められていることを問題提起しました。あなたは何をするべきでしょうか?

             

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こんにちわ。山本です。

 前回は、【メーカー製品群の調査分析力(海外含む)】について考えてみました。世界中から購買先を賢く選定するための条件の1つがこれであり、複数の候補先の強み弱みを見極めて行く必要性とその能力が求められていることを解説しました。


 今回は、【社内VAへの提案力】です。


 ご存知の通り、VAとは、製品を製造する過程で原料がもたらしている価値を分析することを通じて原料のコストダウンに繋げて行こうとするものです。


 化学原料のコストダウンでは、価格交渉、別の安価なメーカーからの購買に切り替えるなど、対象とする原料そのものを変更することなく追及していくのが大概のやり方です。


 しかし、今必要としている原料そのものがそもそも妥当なものなのかを疑い、「何故その原料でなければならないのか?他の原料でも同じ状況を作り出せるのではないか?」と発想して見るのもブレークスルーのキッカケになる場合があるのではないでしょうか?


 しかし、この発想をすることは簡単なことではありません。


 購買の通常の立場は、設計部門が必要と決めた原料を前提にして、「どうすればコストダウンができるだろうか?」と考えることになっているはずです。


 即ち、「何故?」と言う要素以外のところで何とか泳ごうとする訳です。


 最も重要な要素にはメスを入れないスタンスなのです。


 逆に言うと、この要素に物申すだけの力量を持っていればもっと世界は広がる可能性を秘めていると言うことにもなります。


 ですから、もしも、設計部門が考えている以上のことを考えることができれば、その境地に足を踏み入れることが可能になります。


 では、それを実現するためには購買にどんな能力が求められるのでしょうか?

 

1)設計担当者以上のことを考えること
2)所望されている原料の機能が一体何なのかを突き詰めること
3)考え出したアイディアの実現性を想像できること
4)新しく考え出した原料の工業生産状況を世界規模で調査できること
5)新しい原料の世界中のメーカーを抽出できること
6)新しい原料の適正価格を把握できること
7)設計部門を動かすことができること
8)新しい原料を最有利に購買する状況を作り出すこと


 これらを眺めてみると、いずれもやらなければならない当然の項目ばかりです。しかし、1つずつ考えてみるとなかなかの深みと難易度を意味していることに気付かれることでしょう。


 ですから、これは主要な購買能力の全てを傾注しないとできないレベルであると同時に、設計に関して設計担当者以上の執念を持つことが求められるものになります。


 さて、あなたの組織内には、この能力は既に備わっているでしょうか?もし、不足しているとすれば何をする必要があるでしょうか?

 

 では、今回はここまで。次回は、【人材育成と教育】の24回目です。

 

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◆あと書き

 野村総研の高田伸朗先生(社会産業コンサルティング)から学んだことです。時は、20年後の2030年です。


*日本の人口減少と高齢化は急激な就業人口減少を起こしており、非常に重大。

*GDPは、米=中>インド>日本(4位になる!)が見えている。

*バブル崩壊後の20年間に日本の国家戦略はなかったことが国民アンケートで裏付けられている。

*BRICS(特に中・インド)・VISTAを活用するしか将来の道は描けない。

*エネルギー資源・水・食料などで需給ギャップが益々深刻化する。

*60歳以上が5人に1人になる。

*内需だけでは実質2%成長を達成不可能。


*①成長するアジアへの従来にない輸出増②規制緩和・効率化による輸入減③投資リターン拡大)、の3つが今後期待できる軸。以下その中身を概説。

*従来にないアジア向け輸出増のための戦略は、
①経験知の活用戦略(日本と同じ経験を辿ることになるアジアに対して日本の先人的経験を売り込むこと)
②ライフスタイルの提案戦略(映画・アニメ・観光・ブランドイメージなど日本の強みを売り込むこと)
③コントラクター主導戦略(製品販売~オペレーションまでの一気通貫の事業展開のやり方を売り込むこと)
④ルール・イニシアチブ掌握戦略(高度な技術とそれを活用したシステムをISOのようなグローバルスタンダードにして売り込むこと)。

*規制緩和・効率化による輸入減のための戦略は、
①資源・エネルギー利用の効率化戦略(石油の80%を占めるエネルギー向けを省エネ化すること)
②資源・エネルギーの代替戦略(石油依存型から脱却すること)。

*投資リターン拡大のための戦略は、
①家計の投資リターン拡大(貯蓄などを減らして資産運用収入を諸外国並みに高めること)
②企業の投資リターン拡大。


*上記の戦略を実行するには、EUのような7種の戦略的人材育成が必須で、特に、既に国家間争奪戦が始まっている高度人材と位置付けされている2種(①グロ-バル人材②プロフェッショナル人材)を強化すること。

*日本のグローバル化の足かせは人材(語学力55位、国際経験52位)。

*技術系人材の質的低下も懸念材料。


 と言うことで、結局は教育問題に行き着いている。逆に言うと即効的なものは期待できないと言うこと。

 もう一つ、「今までのような個々の企業単位での戦略では上手く行かなくなる時代に差し掛かってきているのではないか?」と言うことである。
 企業群とか業界ぐるみとか異業種プロジェクトとか国家プロジェクトとしての海外諸国への働きかけなどが益々必要になるのではないか?と感じた次第。

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  化学原料コストダウン研究所 山本恒雄 aipyamamt2007@ip-labo.jp

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